物を大事にするきっかけになること
物を大事にすることは、僕らの年代では当たり前のように言われてきたことだと思います。親から買ってもらう物、おもちゃなんかは当たり前として色鉛筆や筆箱、絵の具セットなどの文房具でも「大事に使いなさい」と言われて買ってもらうことが当たり前でした。今みたいにお店もいっぱいなくて、文房具は文房具屋、おもちゃはおもちゃ屋で買ってもらうものでした。
まだ小さい頃は「自分のもの!」程度にしか考えてなかったと思いますが、お金の価値を理解してきたころには「大事にする精神」が身に付いてきたと記憶してます。ただ、それも僕らの年代が最後なのかなとも感じてます。
物がどこでも買える
イオンにいけば大抵のものは揃うし、物によってはコンビニでも買える、家に居ながらにAmazonや楽天などでネット注文も出来るので欲しいと思えばすぐに手に入る環境が整ってます。それにお金さえあれば、貴重な物や希少なものでも入ります。
手に入れるのにストーリーがない分、物の価値が下がっているような気がしてます。
100均やファストファッション
ダイソーやセリア、ユニクロ、GU、H&Mなどのお店のおかげでものが安く買える時代になりました。店舗も多いし、値段も安いから手軽に試したり出来るし、安いからと言っても耐久性や機能も素晴らしく使う分には申し分ありません。
ただ、これらの商品を使ってても、気分の高揚感がないんです。手軽に買える分感情がこまらないので、物としての価値が自分の中で低くなってるなと感じます。
物に大事にするきっかけ
今日は特別な日だからGUを着よう!とか、今日はユニクロを着てて汚れたら嫌だからお好み焼きは鉄板熱々のハンバーグはやめておこう、H&Mの服を汚されたくないから子供と公園遊びに着て行くのはやめようとはなりにくいです。道具にしてもファーバーカステルの色鉛筆と100均の色鉛筆、文房具屋で買ったハサミと100均のハサミ、キッチン用品にしても堺の包丁とそこらで買った包丁ではどうしても扱いが変わってしまいます。自分の中で安かったから良いかなと思ってしまい、心から大事にするという気持ちが欠けてしまいます。
逆に高ければいいということではないですが、カシミヤのコートや穿き込んでいるジーンズ、オーダーシャツ、一万のカットソーは大事に着ます。
どうして心を満たすものが必要なのか、それは物を大事にする心が身につくからだと思います。
ケアやメンテをして手間をかけないといけませんが、ケアやメンテをすることで愛着が沸いてきます。
安物を否定はしませんが、そこにストーリーや心はこもりにくいのではと思います。やはり物を大事にする気持ちのきっかけとなりやすいのは、「ようやく手に入った!」「手間がかかるなあ…」「楽しい」「嬉しい」こうした気持ちにさせてくれる物だと思います。
これは会社の顧問さんから早く一人前になれと送ってもらったお揃いのレイメイ藤井のダヴィンチの手帳(最初はもっと濃い色でしたが色が抜けてきました)
これは嫁とひどい喧嘩をしたときにイライラしてストレス発散で買ったKUROのデニム
高校生の時に苦労して買ったミハラヤスヒロの靴
本気でやるぞと奮発して買ったBMCのロードバイク
社会人になった時に妹がくれたカルバンクラインの名刺入れ
数年前〜20年以上前の物ですが一つ一つの出来事を鮮明に覚えてます。今の子供には、理解させにくいことなのかもしれないですが、何か子供が物を大事にするきっかけになりそうな物に出会ったときに手助けをしてやれる親でありたいです。